〜 約7割の回答者が、ソーシャルメディアプラットフォームが倫理的な場所ではない場合、企業はその利用をやめるべきだと回答 〜
英国発のナチュラルコスメブランドLUSH(ラッシュ)は、2023年3月13日、デジタルテクノロジーは社会変革のためにポジティブな影響を与える存在であるべきという考えのもと、イギリスのコンサルティング会社フューチャー・ラボラトリーと共同で、調査レポート『デジタルエンゲージメント:ソーシャルメディアの未来』を発行しました。(※本リリースでは、調査結果から日本での回答結果をハイライトしてまとめています。
本レポートは、デジタルテクノロジーが将来どのように発展していくかを探ると共に、急速に変化するデジタル環境とそれが生活者へもたらす影響、そしてデジタルトランスフォーメーションの前に立ちはだかる障壁について掘り下げています。また、本調査は、デジタルテクノロジー領域における著名な専門家5名による協力のもと、イギリス、アメリカ、日本に住む生活者12,000名以上(このうち日本は2,000人)を対象に実施し、デジタルに対するニーズや願望、そしてデジタルエンゲージメントとソーシャルメディアの将来展望を分析しています。
ラッシュのチーフ・デジタル・オフィサーであるジャック・コンスタンティンは次のように述べています。『なぜ化粧品会社がデジタルエシックスに関わる活動を行っているのでしょうか?。私たちは皆、地球とそこに暮らす生命体の未来に目を向ける義務があると考えているからです。そして、デジタル上の権利は人権の一つであり、世界規模で意識を改革していかなければ、この権利は損なわれてしまうでしょう。』
また、ラッシュのグローバル・ブランドディレクターであるアナベル・ベイカーは次のように述べています。『私たちは、ソーシャルメディアを取り巻く環境が利用者にとってポジティブだと示せるような調査レポートを発表したいと思っていました。だからこそ私たちは今とは違う未来、すなわち人々がオンライン上で安全に行動できるような未来があることを調査を通じて示したいと考えます。』
- 約7割が、ソーシャルメディアプラットフォームが倫理的な場所ではない場合、企業はその利用をやめるべきだと回答
日本の回答者の約半数(44%)が、ソーシャルメディアプラットフォームが倫理的に運営される場所でなければ企業はそこから離れるべきだと考えており、イギリスとアメリカの回答者も合わせると、その数は約7割(69%)となります。また企業がソーシャルメディアを通じてフォロワー数を獲得することよりも、ソーシャルメディアでの倫理観を大切にして行動する企業が評価に値すると回答したのは35%、イギリスとアメリカを合わせると約6割(62%)となりました。さらに、日本の回答者の50%は、企業が明確なソーシャルメディアポリシーの作成と維持に責任を持つべきであると考えており、企業によるソーシャルメディアの運用方法やプラットフォームの選択に倫理観が求められていることがうかがえます。
近年、多くの生活者がソーシャルメディアに費やす時間を減らしており、日本の回答者の中で、1年前と比較して、Facebook(Messenger含め24%)、Snapchat(24%)とPinterest(21%)が利用頻度を減らしたプラットフォームの上位にあがりました。利用頻度が減った理由はプラットフォームによって異なり、プラットフォームの価値観が気に入らないという理由の中では、TikTok(23%)とInstagram(20%)で顕著に高い結果が出ました。一方、FacebookやMessengerから離れた理由は、他の人が離れていったからという人が最も多く(17%)、その他、プラットフォームから離れた理由の上位には、自由な時間が少なくなったことや、全体的にアプリを使いすぎていることなどが挙げられています。
ソーシャルメディアが有害なコンテンツ、嫌がらせ、操作するコンテンツを許可した場合、3分の1以上(37%)が特定のプラットフォームの利用を控える大きな要因になると回答しています。その他、データを第三者と共有すること(30%)、不快と思われるプロフィールや投稿を削除しないこと(32%)、プラットフォームのCEOが倫理的に問題がある場合(23%)なども、ユーザー離れの要因になると考えられます。
- 今後5~10年間で、ソーシャルメディアやデジタル空間が倫理的に利用されていくと回答したのは2割程度
日本の回答者の73%は、オンライン上で自分を守るための手段を講じており、個人情報を隠す(33%)、異なるパスワードを使う(31%)、訪問するウェブサイトの認証情報を確認する(22%)が最も一般的な内容でした。このような手段を講じる一方で、オンラインでの体験をすべての人にとって安全かつ倫理的なものにするためには、さらに取り組むべきことがあります。
今後5年から10年の間に、ソーシャルメディアやデジタル空間が生活者と企業の双方にとって完全に倫理的に利用されるようになるかという問いに対して、すでに実現している、あるいは実現可能であると考える人はわずか21%、実現可能だがより積極的な取り組みが必要であると回答した人は22%、大きな変化がない限り実現不可能は15%、まったく実現不可能は7%でした。
また、33%の回答者がより変化を起こしていくために、自らの行動を変える方法を模索していると答え、43%は倫理的に行動していると思う企業を支持する可能性が高いと答えています。一方で、回答者の44%が、ソーシャルメディアやデジタル空間をより倫理的にしていく術を理解できていないと感じており、47%がオンラインで自分を守ることに関して無力だと感じていると述べています。
オンラインの規制と教育に責任を持つべき人に関する
日本、イギリス、アメリカの総合回答結果
オンライン規制と教育において誰が責任を持つべきかという質問に対しては、「ソーシャルメディア、オンライン倫理ガイドライン」の日本の回答を見てみると、38%の回答者が日本政府がソーシャルメディアやオンラインにおける倫理観に関するガイドラインを管理するべきだと考え、次に34%が社会一般の責任、27%がテック企業やサービスプロバイダーであると考えています。
「ユーザーのオンライン安全執行」(政府36%、社会31%、ハイテク企業35%)と「ソーシャルメディアとオンライン規制」(それぞれ43%、32%、26%)も同様に日本政府が主導権を握るべきと回答しています。
これに対して3カ国合計の結果では、「ソーシャルメディア、オンライン倫理ガイドライン」を除くすべての項目に対して政府が責任を持つべきという回答となりました。
- 55%の回答者が、ビッグテック企業の支配力が弱まることを望んでいる
日本、イギリス、アメリカの3カ国の全調査対象者のうち57%が、大企業がデジタルテクノロジーやオンラインカルチャーを支配していると感じており、ビッグテックと呼ばれる巨大IT企業にオンライン上での支配力を弱めてもらいたいと回答した人は55%にのぼりました。多くの生活者がデジタル面の安全性を懸念しており、回答者のうち70%が、デジタル体験においてユーザーの安全性を担保するための法整備をグローバル規模で求めています。特にZ世代の54%が、デジタル体験において特定のグループが疎外されたり無視されている現状があると考えています。
また、調査対象者のうち62%が、デジタル体験が倫理的な状態であるためには全ての企業が努力しなければならないと考えており、企業が行動を起こすことを期待していることが見られます。
- ソーシャルメディアが導くポジティブな可能性
既存のデジタルカルチャーがもたらす影響について懸念が高まっている一方で、ソーシャルメディアプラットフォームの利用を通じてユーザー同士が繋がることによる様々な利点があることから、デジタルテクノロジーに対する楽観論を持つ人もいます。例えば、日本、イギリス、アメリカの3カ国の全調査対象者のうち、33%が他人と繋がりを持つことができる、29%が同じ考えを持つ人を見つけることができるといった回答がある他、過半数以上の57%が「デジタルテクノロジーは生産性を高めるのに役立つ」と回答、39%が「ソーシャルメディアは自分のアイデンティティを表現するのに役立つ」と回答しています。
こうしたポジティブな意見は、AIやメタバース、Web3といった急速に発展するテクノロジーによってさらに増えつつあります。次世代の「分散型インターネット」として期待が高まるWeb3は、世界に新たな様式をもたらしてくれることでしょう。
- デジタルテクノロジーの明るい未来構築のために
デジタルテクノロジーにまつわるイノベーションをポジティブな方向へと飛躍的に進歩させていくために、本レポートではマニュフェスト「The SOCIAL Framework」を提示しています。このマニフェストは、デジタル空間、プラットフォーム、エンゲージメントに関する6原則を表しており、デジタルテクノロジーの明るい未来を築き上げていくために作成されました。フレームワークには以下の内容が含まれます:
Sustainability and the impact on the environment: サステイナビリティと環境への影響
Open-source and how competition needs to be replaced by cooperation:オープンソース化と競争から協調
への変革
Community-controlled and decentralised data ownership:コミュニティ管理で分散型のデータ所有
Iterative and agility in an ever-evolving landscape:発展し続ける環境における反復性と機敏性
Accessible and inclusive:アクセシビリティと包括性
Life-affirming:人生の肯定
ラッシュは、倫理的かつ責任あるハードウェアやデータ、デザイン、そしてオープンソースのテクノロジーを支持しています。ラッシュが、化粧品をハンドメイドする際に責任ある原材料の調達方法を追求したり、従業員の権利を大切にすることと同様に、ラッシュのデジタルテクノロジーに対する考え方もまた、コミュニティに還元できる倫理的なテクノロジーを信じています。そして、これまで一握りの企業しか存在しなかったデジタルテクノロジー業界にオープンソースソリューションを提供し、透明性のあるサプライチェーンやデジタルイノベーション、そして未だ語られていない「Tech For Good(良き事のためのテクノロジー)」を広く伝えていきたいと考えています。ラッシュは、今後誰もがこれまで以上に気軽にソーシャルメディアなどを楽しめるような明るい未来の実現を願っています。
なお、これらの原則に関する詳細や、各分野を牽引するイノベーターたちのアイデアについて理解を深めたい方は以下URLよりレポートの詳細情報をご覧ください。
https://weare.lush.com/jp/lush-life/our-impact/a-social-future/
<参考>
調査概要
調査方式:インターネット調査
調査対象:アメリア、イギリス、日本在住の一般生活者
回答数: 合計12,087人(アメリア在住18歳以上の生活者8,000名、イギリス在住18歳以上の生活者2,087名、
日本在住18歳以上の生活者2,000名)
調査期間:2023年2月13日~21日
調査機関:オピニウム・リサーチ社
ラッシュについて
ラッシュは、新鮮な野菜や果物を使った100%ベジタリアン対応のナチュラルコスメブランドです。約95%の商品がヴィーガン対応です。エッセンシャルオイルをふんだんに使用し、動物実験をせず、可能な限り合成保存料に頼らない処方で手作りしたスキンケア、ヘアケア、バス製品などですべての人の健やかな肌や髪のために役立ちたいと考えます。原材料の新鮮さ、本質的な意味においてオーガニックであることに価値をおいて開発する商品は、フレッシュなうちに使用することで原材料の効果を最大限実感することができると信じています。「ラッシュ」の名が示す通り、毎日の生活を「みずみずしく豊か」に、よりハッピーでヘルシーなものにしたいと考えます。倫理的であること、そしてサステナビリティのその先を目指し、原材料調達から商品開発やパッケージの資材調達など、リジェネラティブであること(再生可能性)を最優先にあらゆる企業活動を行っています。
また、商品を倫理的に製造していることと同様に、ラッシュ独自のデジタルテクノロジーの革新も進めています。ラッシュは2016年に独自の「デジタルエシックスポリシー」を策定し、その後デジタル関連のプロダクトを設計、構築、発売する度に本ポリシーの検討を重ねています。本ポリシーは、オープンソース、エシカルなハードウェア、エシカルなデータという3要素で構成されています。さらに、ユーザーのメンタルヘルスに配慮し、2021年11月26日に世界中のラッシュでFacebookやInstagramなどの一部のSNSからサインアウトし、利用を止めています。詳しくはプレスリリースをご覧ください。
( https://www.lush.com/jp/ )
デジタルエシックスポリシー:https://weare.lush.com/jp/lush-life/our-impact/digital-ethics/
SNSサインアウトに関するプレスリリース:https://weare.lush.com/jp/press-releases/social-switch-up/
フューチャー・ラボラトリー社について:
フューチャー・ラボラトリー社は戦略的予測を専門とする世界有数のコンサルティング会社です。経済的、環境的、技術的、社会的な成長に繋がる決断をするための自信を企業に持たせることで、彼らがより良い未来を構築していけるよう支援しています。ロンドン、サンパウロ、メルボルンの3都市にオフィスを構える彼らは戦略的予測に基づいた様々な商品やサービスを提供することで、クライアントが市場動向を把握し、新たな消費者ニーズに対応し、競合他社に差をつけられるよう支援しています。最新の消費者トレンドと市場の変化を把握するために、トレンド、消費者予測、未来のイノベーション インテリジェンス プラットフォームである lsnglobal.com にアクセスしてみましょう。クライアントに対する商品やサービスについて詳しく知りたい方はthefuturelaboratory.comをチェックしてください。
本件に関するリリースはこちら
https://prtimes.jp/a/?f=d6160-20230323-fd3055c3da85e50b0879a724ff8e55bd.pdf