「理解の深さ」と「活用」のギャップが明らかに。日本でもさらなる市場成長の余地あり。
江崎グリコ株式会社は、5月30日の「アーモンドミルクの日」に先立ち、日本・アメリカの20~50代男女800名を対象として、「アーモンドミルクに関する日米実態調査」を実施しました。
昨今の健康意識の高まりを受けて、日本国内で「植物性ミルク」の市場が活性化しています。今回、アーモンドミルクが定着しつつあるアメリカと、アーモンドミルクに関する実態を比較する調査を実施しました。“植物性ミルク先進国”であるアメリカの実態を見てみると、日本でもさらに成長の余地があることを感じる結果となっています。
1930年代よりアーモンドに着目し、日本でのアーモンド文化の浸透を図ってきたGlicoグループは、これからもアーモンドの栄養をおいしく日常的に取り入れられる商品の提供を通して、すこやかな毎日の実現に貢献してまいります。
<『アーモンドミルクに関する日米実態調査』 主なトピックス>
① アメリカでは、アーモンドミルク認知者の85.5%がアーモンドミルク飲用経験あり
・アーモンドミルク認知者における飲用経験率は、日本の49.2%に対しアメリカでは85.5%と、日本の約1.7倍。また、アメリカでの飲用経験者で「週に1回以上飲む」の合計は7割を超えており、日本との飲用頻度の差も顕著に。日本での飲用率向上には、まだ伸びしろがあると考えられる。
② アーモンドミルクが支持される理由は「健康に良さそうだから」が日米ともにトップ
・アーモンドミルクを飲む理由としては、日本・アメリカとも「健康に良さそう」が一番高い結果に。
③ アメリカでは「ダイエット」や「免疫を高める」他、幅広い健康・美容イメージのあるアーモンドミルク
・アーモンドミルクの持つ健康・美容イメージについて、日本での1位は「アンチエイジング」(20.3%)。一方で、アーモンドミルクに「健康や美容のイメージが特にない」と答えた人も半数近くに。
・アメリカでは41.3%が回答した「ダイエット」がトップイメージ。さらに「免疫を高める(風邪予防)」「美肌・美白」、「腸内環境を整える」、「生活習慣病対策」、「冷え性改善」をあわせた6つの健康・美容イメー ジで2割を超えている。
④ アーモンドミルクの使い方は「そのまま飲む」だけではない。アメリカでは活用幅も広い
・日米ともにアーモンドミルクの活用方法では「そのまま飲む」が1位に。アメリカは、日本に比べ「コーヒー/
紅茶に入れる」、「グラノーラにかける」、「スムージーに入れる」などアレンジ活用のバリエーションが広い。
【現地レポート】プラントベース先進国の「アーモンドミルク事情」
◆アメリカ-大手スーパーではPB化、ファーストフード店など生活に密着する形で既に拡大。
① アメリカでは、アーモンドミルク認知者の85.5%がアーモンドミルク飲用経験あり
アーモンドミルクについて「名前と内容を知っている」と「名前は聞いたことがある」をあわせたアーモンドミルクの認知率は日米ともに高く、日本で80.8%、アメリカで98. 5%でした。
日本は「名前は聞いたことがある」という人が49.0%で、「名前と内容を知っている」人の31.8%を上回っているのに対し、アメリカでは「名前と内容を知っている」と答えた人が76.5%と認知者の大半で、日本よりも“理解を伴った認知”が浸透している実態が明らかとなりました。【図1】
また、アーモンドミルク認知者に飲用経験を聞いたところ、アメリカでは85.5%が「飲んだことがある」と回答。日本の飲用経験率49.2%に比べると、約1.7倍と高い状況でした。【図2】
次に、飲用経験者を対象にアーモンドミルクを飲む頻度について質問したところ、日本では「ほぼ毎日飲む」と回答した人は3.8%で、「週1回以上飲む」のは飲用経験者の2割に満たない結果でした。さらに、日本では過半数が「半年に1回以下」と答えており、最も割合が高くなっています。アメリカでは、飲用経験者の16.9%が「ほぼ毎日飲む」と回答。「週に1回以上飲む」の合計は7割を超えており、日本との飲用頻度の差が顕著となりました。【図3】
② アーモンドミルクが支持される理由は「健康に良さそうだから」が日米ともにトップ
アーモンドミルクの飲用経験者に対して「アーモンドミルクを飲む理由」を質問したところ、「健康に良さそうだから」が日本(36.5%)とアメリカ(49.3%)でともにトップとなりました。日本は「美容によさそうだから」、「ビタミンEが多いから」が23.9%で同率2位となりました。アメリカでは「低カロリーだから」(46.9%)、「味がおいしいから」(39.8%)と続きました。【図4】
③ アメリカでは「ダイエット」や「免疫を高める」他、幅広い健康・美容イメージのあるアーモンドミルク
アーモンドミルクの持つ健康・美容イメージについて質問したところ、日本は「アンチエイジング・老化防止」(20.3%)がトップに。ただし、提示した健康・美容イメージで「あてはまるものはない」と答えた人が46.3%と半数近くを占め、具体的なイメージが乏しい人が多い実態も明らかになりました。
アメリカは1位が「ダイエット」(41.3%)、2位は「免疫を高める(風邪予防)」(40.5%)、3位が「美肌・美白」(39.8%)と続きました。「腸内環境を整える」、「生活習慣病対策」、「冷え性改善」を加えた6
項目でイメージスコアが2割を超えており、幅広い健康・美容イメージが浸透していることが伺えます。【図5】
④ アーモンドミルクの使い方は「そのまま飲む」だけではない!アメリカでは活用幅も広い
アーモンドミルク飲用経験者に飲み方や活用方法について質問したところ、日米ともに「そのまま飲む」が1位となりました。日本では「そのまま飲む」以外の活用方法が、いずれも15%に満たないのに対して、アメリカでは、「コーヒー/紅茶に入れる」(45.7%)、「グラノーラにかける」(43.9%)、「スムージーに入れる」(38.0%)など、さまざまなアーモンドミルクの活用法が浸透していることが伺えます。【図6】
国内で市場拡大が続いているアーモンドミルクですが、今回の日米比較調査を通して、アメリカでは、認知者の飲用経験率・飲用頻度がともに日本よりも高い結果となりました。アメリカでアーモンドミルクが定着している背景には、アーモンドミルクへの理解が深く、さまざまな健康や美容に関するイメージが浸透していることや、アーモンドミルクを習慣的に取り入れている実態が垣間見えました。今回の調査結果は、今後の日本市場におけるアーモンドミルクのさらなる成長の余地を感じさせるものとなりました。
Glicoグループではこれからも、アーモンドの栄養やアーモンドミルクの活用方法の啓発に一層注力し、アーモンドミルクの魅力を多くの方にお伝えできるよう努めてまいります。
<調査概要>
調査名 :「アーモンドミルクに関する日米実態調査」
調査方法 :インターネット調査
調査対象者:20~50代の男女
調査地域 :日本、アメリカ
調査期間 :2023/04/19~2023/04/26
調査主体 :江崎グリコ株式会社
サンプル数:800 人(日本N=400, アメリカN=400)
※本資料に含まれる調査結果をご掲載頂く際は、必ず「江崎グリコ株式会社調べ」と明記下さい。
【現地レポート】 プラントベースフード先進国アメリカの「アーモンドミルク事情」
◆アメリカ-大手スーパーではPB化、ファーストフード店など生活に密着する形で既に拡大
太田あや氏/BIO ARTS NYC, INC.代表
日本のメディア業界で10年勤務した後に渡米、ニューヨーク在住20年目。フード&ヘルスライターや、リサーチャーとして執筆実績多数。米国代替医療協会認定ホリスティック・ヘルス・コーチ&カウンセラーとしての資格も持つ。また、食品・農林水産分野でのコンサルティング、マーケティング、プロモーション、リサーチを専門に活動。JETROや地方自治体など公的機関の事業において、商談会やセミナー、現地バイヤーの発掘業務などの日本産食品・酒類の輸出支援事業にも数多く携わっている。
アメリカでは健康志向の高まりはもちろんのこと、気候変動や世界的な食糧危機や貧困、動物愛護などの観点からプラントベースを選ぶ消費者が増えています。中でも、植物由来のミルク・乳製品は、既に定着しています。かつては、ベジタリアンやヴィーガンなどの菜食主義者や、乳製品を摂取できない人たちが飲んでいましたが、もはや誰もが飲む時代になっています。スーパーマーケットでは植物性ミルクの品揃えが豊富な店舗も増えており、中でも最も販売されているのがアーモンドミルクです。大手スーパーマーケットではプライベートブランド化されているところも多く、定番化してきていることが分かります。さらに、大手ファーストフードチェーンでもアーモンドミルクをはじめとした植物性ミルクがラインナップされており、ミルクを選ぶという行動自体がスタンダードになっています。
また、自分で水を加え、好みの濃度で楽しめるアーモンドベースやアーモンドパウダーという商品も出てきており、活用の幅にもますます広がりが。カフェチェーンでもアーモンドミルクをはじめとしたミルクの選択肢を複数揃えている店舗が多く、消費者の好みに応じてカスタマイズするのが主流となっています。
PB商品も多く品揃えのある
米国大手スーパーのアーモンドミルク売場
【コラム】 国内外のみなさんのすこやかな毎日を、アーモンド商品でサポートしたい
Glicoの海外における最新の取り組み状況について
日本から世界に拡がるアーモンド商品
江崎グリコは、約100年前に、人々の健康促進を図るため、グリコーゲン入りの栄養菓子「グリコ」を開発し、創業しました。当社とアーモンドとの出会いは、1930年にさかのぼります。創業者・江崎利一がアメリカ視察をした際、素材のおいしさと栄養価の高さに着目しました。1955年、まだ日本でアーモンドの存在が広く知られていないなか、“1粒で2度おいしい”というキャッチフレーズで「アーモンドグリコ」を発売しました。アーモンドから摂れる栄養を、日常の習慣として、おいしく取り入れていただくために、研究や商品開発を進めています。2014年にはアーモンドの飲料を発売しました。現在、国内の植物性ミルク市場を牽引しています。
グローバルでの展開も始まっています。2021年には、中国と台湾、2022年にはタイでそれぞれ発売しました。アーモンドの商品を通じ、日本から世界に食を通じた健康づくりをお届けします。人々の「すこやかな毎日、ゆたかな人生」に貢献するため、「おいしさと健康」で価値ある商品を提供し続けます。
タイの菜食文化とアーモンドミルクの関係
日米比較調査と同じ時期にタイで行ったインターネット調査※では、タイにおけるアーモンドミルクの認知率(「名前と内容を知っている」+「名前を聞いたことがある」の合計)は98.8%、また認知者の飲用経験率も87.6%とアメリカと同水準の高さとなっています。
タイ在住ライターのみかん氏によれば、タイでは宗教的背景から菜食主義の人々が一定数存在し、ヴィーガン料理を提供するレストランも多いとのことです。タイには「キンジェー」と呼ばれる菜食週間があり、街中のいたるところでキンジェーのモチーフである「黄色い旗」が掲げられ、スーパーやレストランでも野菜を中心とした菜食が推奨されます。アーモンドミルクの認知率の高さは、タイに菜食が受け入れられやすい背景とあいまっているかもしれません。
キンジェー期間中のタイの街の様子
【現地レポート協力】
みかん/タイ在住ライター
主にタイ・バンコクの観光スポットや流行りのレストラン、ローカルな穴場スポットの記事を執筆。
そのほか、タイの文化・歴史、現地の暮らしや移住情報についても発信している。
※:江崎グリコ調べ(調査期間:2023/04/19~2023/04/26、タイに住む20~50代の男女400名を対象としたインターネット調査)