~賞金5万ポンド(約975万円※)を、肝臓チップによる安全な化学物質の把握が動物実験より優れていると証明した研究へ~
英国発のナチュラルコスメブランドLUSH(ラッシュ)および英国の消費者団体であるEthical Consumer Research Association(エシカルコンシューマー・リサーチアソシエーション、以下エシカルコンシューマー)は、2024年5月21日(火)動物実験の代替法開発および、動物実験廃止に向けた活動を推進する世界最大の基金、『Lush Prize 2024』の受賞者を発表しました。
『Lush Prize(読み方:ラッシュ プライズ)』は、医療検査における動物の使用に対して既に対策を講じた数多くの研究やプロジェクトを表彰しており、消費者向けの製品や原材料に対する毒性試験の方法が変わっていくように働きかけています。毎回最大総額25万ポンド(約4,875万円※)の賞金が授与され、動物を使用しない実験分野で最大規模であり、動物実験の完全撤廃とその置き換えのみに焦点を当てた唯一の基金です。いかなる理由においても動物実験を行っているサプライヤーからは原材料を購入しない、それが「No!動物実験」を掲げているラッシュの徹底したポリシーです。そのポリシーに基づき、今回で『Lush Prize』の応募受付は第9回目を数え、11周年を迎える隔年開催している基金です。2012年から2022年にかけて、『Lush Prize』は35カ国126のプロジェクトにて300万ドル(約4億6,500万円※)以上を授与してきました。
※ 1ドル155円換算、1ポンド195円換算
本件に関するリリースはこちら:
https://prtimes.jp/a/?f=d6160-596-2797b8810bea4c92b99c3b7c34f2a328.pdf
ラッシュのポリシーについて:https://weare.lush.com/jp/lush-life/our-ethics/fighting-animal-testing/
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サイエンス部門『Lush Prize 2024』受賞者に関して
米国ボストンを拠点とする臓器チップ企業 エミュレートのローナ・イワート博士は5月21日(火)、ロンドンのステージにて栄誉あるサイエンス部門のLush Prizeを受賞いたしました。
人体に有害な化学物質を発見するための動物実験は、しばしば不成功に終わります。 事実として、動物実験に合格した医薬品においても、その90%が市場に出回らないのです※1。 こうした状況をもとに、現在、人体の臓器を模倣する小型デバイス上でヒト細胞の培養を手掛ける企業の活動が盛んになっています。 しかし、世界中の規制当局は、こうした新しいデバイスの優位性を示す証拠が不十分であるとして、いまだに多くの動物実験を要求しています。
エミュレート社は2022年12月、同社の肝臓チップ(上記写真)の優位性を決定的に証明する画期的な研究を発表し、Lush Prizeのサイエンス部門での受賞をいたしました。 これまで発表された中で最も大きな臓器チップについての研究であり、27の化学物質のそれぞれに800個以上のチップを使ってテストを行いました。 この化学物質の中には、動物実験を通過していたにもかかわらず、肝障害によって240人以上の死亡者を出した経緯を持つものも含まれています。
エミュレート社の研究は、肝臓チップが広く採用された際の経済効果をモデル化したことにも大きな意義があります。 結果として、業界全体で30億ドルの生産性向上が示唆されています。 この研究は現在、31,000回以上の購読、43回の出版物への引用、174のニュース記事で言及をされており、『Nature Communications Medicine』誌※2の同年代の論文の上位1%にランクされています。
※1 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2211383522000521?via%3Dihub
※2 https://www.nature.com/articles/s43856-022-00209-1
Lush Prize ディレクターのロブ・ハリソンは次のように述べています:
Lush Prizeの授賞式では、動物実験のない未来の実現に貢献する世界中の活動家、科学者、若手研究者にも総額25万ポンド(約4,875万円※)相当の賞金が授与されました。 受賞者の全リストはLush Prizeの公式サイトに掲載されています。
Lush Prizeの公式サイト:https://lushprize.org/
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『Lush Prize』について
『Lush Prize』は、動物実験に頼らない研究開発支援や動物実験の廃止に向けた活動を推進することを目的に、ラッシュとエシカルコンシューマーが共同で2012年に設立しました。動物を使用しない実験分野では世界最大規模、動物実験代替法を推進し、1R※3にフォーカスする唯一の賞です。「世論喚起部門」「サイエンス部門」「トレーニング部門」「ロビー活動部門」「若手研究者部門」の5分野における個人の受賞者および受賞団体へ、毎年最大総額25万ポンド(約4,875万円※)を授与しています。日本、中国、ケニヤ、イラン、ウクライナ、インド、ニュージーランド、ブラジル、アメリカ合衆国、そして12のヨーロッパ諸国といった、南極大陸を除く全大陸にわたる多種多様な国々の研究者と団体を支援する、まさにグローバル規模の基金です。本基金は、動物実験は非倫理的であると同時に、化学物質が人間に与える影響を予測する方法としては、正確性に欠けるという考えのもと、動物実験の廃止を実現するために必要な活動を大きく5分野に分け、動物を使用しない研究や活動を支援し、表彰しています。
Lush Prize公式ウェブサイト(日本語) http://www.lushprize.org/ja/
プライズのカテゴリーは以下の5つです。(http://www.lushprize.org/awards/)
・「世論喚起部門」:動物実験が実施されている背景や実情を社会に知らせることに貢献した個人および団体
・「サイエンス部門」:動物を使用しない代替法の研究開発に従事する研究者及び研究機関
・「トレーニング部門」:動物実験に頼らない代替法の研究者や規制機関に対するトレーニングを提供する個人及
び団体
・「ロビー活動部門」:規制機関や行政に対して動物実験の代替および禁止に向けた制作介入を行う個人および
団体
・「若手研究者部門」:35歳以下で、動物実験に頼らない代替法開発および研究を行う研究者
今年から新しく、金銭の授与を伴わない表彰とプライズの授与が始まりました:
・「主な科学協力部門」: 複数の大規模研究機関が関与する、複数年にわたる大規模な共同研究を対象として
います。
・「政治的功績部門」: どの国でも選出された政治家が対象で、動物や科学のために永続的な法改正を行うた
めに政治家が行う不可欠な活動を評価するものです。
・「健康チャリティープロジェクト部門」:動物実験以外の新しい技術を用いたプロジェクトに資金を投入する
優れたプロジェクトを称えるものです。
※ 3 1Rとは、動物実験の基準についての理念として3R(「Replacement(代替)」「Reduction(削減)」
「Refinement(改善)」)が掲げられており、Lush Prizeでは、動物を使用しない実験方法への転換を意味する「Replacement」のみを評価しています。
※ 1ドル155円換算、1ポンド195円換算
<参考>
毎年、世界中の実験室で使用される動物の数は約2億匹を超えると推定されています。(※4)
使用される一般的な動物は、ウサギ、モルモット、マウスやラットなど。化粧品開発の動物実験では、化学物質を点眼したり、毛を剃った皮膚に化学物質を塗りこんだり、致死量にも相当するほどの大量の化学物質を経口投与したりするのです。ラッシュが考える、原材料や完成した商品の安全性を確認するための最も効果的で人道的な方法は、動物を使わない最先端の安全性試験とボランティアの人達による討論会です。ラッシュは、商品や成分についての動物実験を一切行っていません。第三者に動物実験を委託する原材料や資源のサプライヤーとも関与していません。いかなる理由においても動物実験を行っているサプライヤーからは原材料を購入しない、それがラッシュの徹底したポリシーです。
Ethical Consumer Research Associationについて
Ethical Consumer Research Association(エシカルコンシューマー・リサーチアソシエーション)は、社会問題、動物福祉問題、環境問題に関する独自の調査を専門とする非営利の研究協同組合です。
(https://www.ethicalconsumer.org/)
ラッシュについて
ラッシュは、新鮮な野菜や果物を使った100%ベジタリアン対応のナチュラルコスメブランドです。約95%の商品がヴィーガン対応です。エッセンシャルオイルをふんだんに使用し、動物実験をせず、可能な限り合成保存料に頼らない処方で手作りしたスキンケア、ヘアケア、バス製品などですべての人の健やかな肌や髪のために役立ちたいと考えます。原材料の新鮮さ、本質的な意味においてオーガニックであることに価値をおいて開発する商品は、フレッシュなうちに使用することで原材料の効果を最大限実感することができると信じています。「ラッシュ」の名が示す通り、毎日の生活を「みずみずしく豊か」に、よりハッピーでヘルシーなものにしたいと考えます。倫理的であること、そしてサステナビリティのその先を目指し、原材料調達から商品開発やパッケージの資材調達など、リジェネラティブであること(再生可能性)を最優先にあらゆる企業活動を行っています。