人気料理研究家 濱村圭「豆×発酵は栄養価のさらなる相乗効果が得られる食べ方」と語る
USドライビーンカウンセル(駐日事務所:〒102-0072 東京都千代田区飯田橋1-5-9 精文館ビル5F マーケット・メイカーズ・インク内)は12月11日に、都内にてUSドライビーンの魅力をPRするため、USドライビーンカウンセル米国本部 グローバル栄養スペシャリスト/PR担当のチェルシー・ディディナー、SNS総フォロワー数30万人以上を誇るフードコーディネーター/料理研究家の濱村圭氏、10人の料理系インフルエンサー(SNS総フォロワー数合計50万人以上)を招待し、「USドライビーン×発酵」プロモーションイベントを開催いたしました。
イベントでは「USドライビーン×発酵」をテーマに、トーク、レシピ紹介、調理実演、試食、質疑応答、フォトセッションが開催されました。
豆は究極のスーパーフードである
イベントではまず、USドライビーンカウンセル米国本部チェルシーから「豆」の栄養価とサステナビリティに関するプレゼンを行いました。チェルシーは「今日は豆の魅力について、皆さんに紹介したい5つのトピックスがあります」(「栄養価」、「健康効果」、「サステナビリティ」、「食のトレンド」、「美味しい豆のレシピアイデア」)と告げ、USドライビーンの魅力に関して順に紹介しました。
「栄養価」のパートでは「日本人の子どもと大人における通常の栄養摂取分布と栄養素摂取不足の有病率」に関する研究成果をもとに、各性別・年齢カテゴリーの子供と青少年の20%以上が、総脂肪と飽和脂肪のエネルギー割合における食事摂取基準の上限を超える摂取量となっていたり、子供と青少年の多くが、タンパク質と炭水化物、食物繊維、カリウムのエネルギー割合における食事摂取基準の下限を下回る摂取量となっているなど、何らかの偏りが見られることが明かされました。(出典:https://www.mdpi.com/2072-6643/15/24/5113)
同時に、摂取不足が指摘されるたんぱく質を含み、穀物に比べて2~3倍食物繊維を多く含む豆は、日本人に不足している「栄養価」が補えることが語られました。
2つ目の「健康効果」としては、豆が持つ2つの効果(「慢性疾患予防の効果」一部のがんや2型糖尿病、心血管疾患を予防する効果/「健康促進の効果」健康的な体重の維持や腸内環境の改善、長生きに繋がる効果)がピックアップされました。
世界がん研究基金国際機関(WCRF)が発表している「がん予防のための食事に関するメッセージ」(出典:https://www.wcrf.org/research-policy/evidence-for-our-recommendations/wholegrains-veg-fruit-beans/)では、全粒穀物や野菜、果物と並んで、豆類をたくさん摂取することが推奨されています。
長寿との関連性についても、「Blue Zones」(長寿者が多く健康的な生活を送っている地域)では住民が日常的に豆を食事に取り入れていることが特徴で、1日に約1カップという豊富な豆の摂取量が注目されていることが紹介されました。(出典:https://www.bluezones.com/2022/01/5-delicious-ways-to-eat-a-cup-of-beans-each-day/)
3つ目のテーマ「サステナビリティ」については、豆が人の健康面への効果のみならず、地球のサステナビリティにも貢献する食物で、具体的には「土壌の健康」、「水の利用効率」、「温室効果ガス排出削減への貢献」、「食品ロス低減への貢献」などの利点があることが紹介されました。
測定結果のデータが用いられ、豆類が牛肉(肥育牛)をはじめとする他の食品と比べ、地球温暖化の原因となる温室効果ガス(CO2)の排出量が非常に少なく環境負荷の小さい食物であることが説明されました。(出典: https://ourworldindata.org/grapher/ghg-per-protein-poore)
「栄養価」、「健康効果」、「サステナビリティ」についての紹介が行われた後、チェルシーは「食のトレンド」について多数のスライドを用いて紹介。豆に関連するInstagramのハッシュタグ投稿数が膨大な数にのぼることを指摘し、現在の食品トレンドの主なポイントが大きく5つに分類されると分析しました。
2024年11月24日に検索し投稿数が多いハッシュタグとして、Vegan(ヴィーガン)1億3100万、Healthy food (健康食品)1億2400万、Nutrition (栄養)6700万、Clean eating (クリーンな食事)4730万、Gluten-free (グルテンフリー)4340万、Plant-based (植物ベース)4280万などのキーワードを例に挙げて、これらの消費者の関心と豆は親和性があり、豆の特性はこれらのハッシュタグのキーワードの要素を全て含んでいると分析。また、世界中の様々な国の料理を取り入れた多様な風味の食品が人気を集める「グローバルな風味」、健康志向が高まる一方でちょっとした贅沢を求める「小さな贅沢」という点からも豆類が非常に注目度の高い食物で、実際にSNSに投稿されている色とりどりの豆を使った料理の写真などがスクリーンに投影されました。
チェルシーは「こちらの画像のように豆料理はディップやサラダ、メインディッシュなど様々な形で私たちの食卓に彩りを添えてくれる食材で、豆の種類や調理法によって栄養満点で無限の組み合わせが楽しめます。まとめると、豆はパーフェクトな食材なんです!」と目を輝かせました。
チェルシーのプレゼンをうなずきながら聞いていた濱村氏は「豆というと大豆というイメージがあるのですが、チェルシーさんから『様々な色の豆を食べた方がいい』という話を聞いたので、これからはレインボービーンズを取り入れていきたいと思います」と声を弾ませました。
『豆×発酵』はそれぞれが持つ栄養価のさらなる相乗効果が得られる食べ方
チェルシーのプレゼンに続き、濱村氏がUSドライビーンと日本文化に深く根付いた「発酵」を掛け合わせた効果を紹介するパートに移りました。
濱村氏はまず「発酵」について紹介。発酵とは微生物の働きによって食材が変化し栄養価や保存性が向上するなど、人間にとって良い形に変化することをいい、日本では味噌、醤油、納豆、漬物などがあることを説明。また海外ではヨーグルトやチーズ、キムチなども有名であることを告げ、発酵食品を作るうえで必要になる食材が「麹」であることを説明しました。日本で古くから使われている麹には「消化・吸収の促進」、「美肌促進」、「免疫力の向上」などの効果が期待できるとのこと。
濱村氏は続けて「今日のテーマである『豆×発酵』はそれぞれが持つ栄養価のさらなる相乗効果が得られる食べ方です」、「先程チェルシーさんが教えてくださったとおり豆は非常に栄養価の高い食物で、その豆を発酵させることで、微生物の働きにより栄養価がさらに高くなり、吸収しやすくなります。腸内環境や免疫力の改善をはじめ様々な健康効果もさらに期待できます」と述べました。
料理研究家 濱村圭が豆の食べ方を提案
続いて会場をキッチンに移し、濱村氏から「ひよこ豆味噌」とひよこ豆味噌を使った「白い麻婆豆腐」、「レッドキドニー発酵あんこ」とレッドキドニー発酵あんこを使った「生八つ橋風」の4品の紹介と調理実演を行いました。
「ひよこ豆味噌」は「アメリカ産ひよこ豆」、「米麹(乾燥)」、「塩」を材料に、時間はかかるものの炊飯器などを利用して家庭でも手軽に作ることができる本格的な味噌。その「ひよこ豆味噌」を使い、濱村氏がフライパンで「白い麻婆豆腐」を作り、器に盛った「白い麻婆豆腐」に小ねぎと粉山椒を散らして完成しました。
通常の赤い麻婆豆腐の見た目とは違う「白い麻婆豆腐」は辛味が抑えられており、試食したチェルシーは「私がこれまでの人生の中で食べた麻婆豆腐の中で一番おいしい!」とその味わいに驚きの様子をあらわにしました。
現在、長男(6歳/幼稚園年長)、長女(4歳/幼稚園年少)、次男(2歳)の3人の子どもを育てる濱村氏は「普段、家で子どもにも作っているのですが、食べやすくて『おかわり、おかわり』と言ってたくさん食べてくれます」と声を弾ませました。
続いては、レッドキドニー(赤いんげん豆)を使った「レッドキドニー発酵あんこ」とレッドキドニー発酵あんこを使った「生八つ橋風」を紹介。「レッドキドニー発酵あんこ」も「アメリカ産レッドキドニー」、「米麴(乾燥)」、「塩」を材料に、「ひよこ豆味噌」と同様時間はかかるものの、炊飯器などを使って家庭で簡単に作ることができます。濱村氏が推奨する「レッドキドニー発酵あんこ」は砂糖を使わないため豆本来の自然な甘みが楽しめるそう。
濱村氏は「最後はレッドキドニー発酵あんこで作る“簡単なんちゃって生八つ橋”です(笑) 発酵あんことライスペーパーを使って作る八つ橋風のおやつで、今日はきな粉味で作っていきたいと思います」と茶目っ気たっぷりの笑顔を見せ、調理の実演を行いました。
濱村氏は4等分に切ったライスペーパーをひし形になるように2枚に重ね、レッドキドニー発酵あんこを載せて三角形に折り、八つ橋の表面に混ぜ合わせたきな粉、砂糖、シナモンをまぶし、あっという間に“簡単なんちゃって生八つ橋”の「生八つ橋風」が完成。スーパーなどで身近に手に入るライスペーパーを使ったアイデアレシピで、子どもたちにも人気だそうです。
「レッドキドニー発酵あんこ」を使った特製デザートを試したチェルシーは「お砂糖が入っていないのに甘いです。アメイジング!」と声を弾ませました。濱村氏は「砂糖が入っていないのに甘いんです」と「レッドキドニー発酵あんこ」の特徴を説明しました。
「クリスマスアレンジレシピ」&「食育」の極意を教授
さらにクリスマスアレンジレシピが話題にあがると、濱村氏は「『ひよこ豆味噌』はチーズと豆乳といっしょに煮詰めていただくとチーズフォンデュのソースとして使って頂くこともできますので、ぜひクリスマスパーティの食卓に並べていただきたいなと思います」と紹介。続けて「『レッドキドニー発酵あんこ』は生クリームと合わせていただいてケーキのクリームとして使っていただくとおいしいです。また、手軽なところではクラッカーにはさんでいただいて『あんこクリームサンド』を楽しんでいただくことができます」とも紹介しました。
食の面で子育てで気を付けていることを尋ねられると、濱村氏は「私は6歳、4歳、2歳の3人の子どもを育てています。2歳の子はまだ大人と同じ食事が難しいです。その点、『白い麻婆豆腐』は優しい味付けで柔らかい食材を使っているので、2歳の子どもにも安心して食べさせることができると思います」と目を輝かせました。日々の食事で気を付けていることに関しては「できだけ市販品や添加物に頼らずに素材の味を生かして、小さなころから“舌を鍛える”という食育をすることです」とコメント。
今年の濱村家のクリスマスメニューを尋ねられると「実は『味噌チーズフォンデュ』と『あんこクリームサンド』の他にローストチキンを作りました。ひよこ豆味噌、しょうゆ、オリーブオイル、みりんを骨付きの鶏もも肉につけていただき200度のオーブンで30分焼くだけでめちゃくちゃおいしかったです。ぜひ、試して頂ければと思います」と目を輝かせました。